駄作パラレル読みきれず短編 1-4(END)

昔の楽しかった記憶はあんなにも鮮明に残っているのに、その時のことはよく思い出せないのが不思議だ。 きっと、忘れたかったんだと思う。 葬儀の日以来、丸山と娘の麻美ちゃんには会っていない。 どんな顔をすればいいのか、何を話せばいいのか、もうまるっ…

駄作パラレル読みきれず短編 1-3

どうやら“ショッピング”をするたびに、ぼくの ID は勝手にラスを引き続けていたようで、天凰の掲示板ではちょっとした話題にもなっていたらしい。 「ふーん。あの数字は、仮にラスを引いた時の R だったのか…」 そんなことはもうどうでもよかった。 とにかく…

駄作パラレル読みきれず短編 1-2

何かの冗談に違いないとは思ったが、どうも様子が変だ。 ヤツはおかしなことを喋る。喋りまくる。 「………。………。………………。めんどくせーから簡潔にまとめるとな、 を 4 枚ツモ切ると願いがひとつ叶うんだわ、まぁありがちな展開だけどよ、それがこの世界ってモ…

駄作パラレル読みきれず短編 1-1

その日もぼくは、いつものようにネット麻雀『天凰』で遊んでいた。 本格的な鬼打ちをやめてから久しかったが、同時に始めたバイトも、結局長くは続かなかった。 天凰はやはり手軽でよい。 決してもう以前ほど熱心に取り組むことはなかったが、毎日数ゲーム打…